日本溶射工業会

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溶射とは

溶射・溶射法

 溶射技術は乾式法であるため廃液処理の問題はなく、現地でも適用できる表面改質技術の一つである。溶射によるハードフェーシングは迅速肉盛補修、表面硬化処理技術として発達し、今では世界各国で航空・宇宙、医療等の最先端技術分野で幅広く使用されています。

コールドスプレー 高速フレーム溶射 アーク溶射 コールドスプレー 溶線式フレーム溶射 粉末式フレーム溶射 コールドスプレー

溶射法の利点

1. ニーズに合わせた皮膜設計が可能
2. 寿命延長により、メンテナンス費用の低減が可能
3. 再生補修技術として部材のリサイクル化が可能

溶射法の主な特徴

1. 鉄鋼・非鉄金属・セラミックス・プラスチックス等広範囲な種類の基材に溶射加工ができる。
2. 部品の必要範囲だけ部分加工ができる。
3. 加工物の寸法に殆ど制約がなく、現地施工もできる。
4. 基材に対し、熱影響による変形がなく、水素脆性の危険もない。
5. 各種の機能を有する金属/合金、サーメット、セラミックスなどの幅広い材料選択が可能である。
6. 皮膜内に生じる気孔は熱衝撃の緩和や、含油潤滑性を発揮する。
7. 溶射法によっては無気孔の皮膜もできる。
8. 基材の再利用が可能で、航空機部品の補修再生には不可欠な技術として定着し、現在のジェット
  エンジン部品のオーバーホールマニュアルに採用されている。
9. 皮膜表面は、滑り止め粗面から、機械加工の仕上精度を調節することによって、鏡面仕上面までの
  ニーズに対応できる。
10. 溶射法によっては溶射粒子の融点・軟化点より低温の高速作動ガスで施工でき、気孔や酸化のない
  金属皮膜形成が可能である。

溶射皮膜の代表的種類
分 類 代 表 的 種 類
金属/合金 アルミニウム[Al],亜鉛[Zn],銅[Cu],モリブデン[Mo],ニッケル[Ni].チタン[Ti],タングステン[W],
銅合金[Cu-Al.Cu-Al-Fe.Cu-Ni.Cu-Ni-In],ニッケル合金[Ni-Al(5%,20%).Ni-Cr(20%,50%).
Ni-Cr-Al.Ni-Cr-Al-Y],コバルト合金[Co-Cr-Ni-W-C.Co-Mo-Cr-Si.Co-Cr-Al-Y],Ni自溶合金
[Ni-Cr-Fe-Si-B-C.Ni-Cr-Mo-Cu-Fe-Si-B-C],Co自溶合金[Co-Ni-Cr-Mo-Fe-Si-B-C],炭素鋼,
ステンレス鋼[SUS 304.316.420J2.431],ハステロイ その他
サーメット 炭化物系サーメット[WC-Co(12%.17%.20%).WC-Co-Cr.WC-Co+Ni自溶合金.Cr3C2-NiCr.
Cr3C2+Ni自溶合金],酸化物系サーメット[Al2O3+NiAl.MgZrO3+NiCr],アブレイダブル
[AlSi-BN.AlSi-Graphite.AlSi+Polyester.AlSi-Polyimide.CuAlFe+Polyester.Ni-Graphite]
その他
セラミックス アルミナ[Al2O3],ジルコニア[ZrO2],チタニア[TiO2],イットリア[Y2O3],クロミア[Cr2O3],
アルミナ・チタニア[Al2O3-TiO2(3%,13%,40%)],安定化ジルコニア[ZrO2-CaO.ZrO2-MgO.
ZrO2-Y2O3(8%,20%).ZrO2-CeO2-Y2O3],ジルコン[ZrO2-SiO2],スピネル[Al2O3-MgO],
ムライト[Al2O3-SiO2] その他

(注)炭化物、酸化物、窒化物等のセラミックスと金属の組合せにより、セラミックスと金属の特性を兼ね備えたもの