第1部ではWCの残留応力を測定し、転動寿命予測の可能性を検討した。ハードフェーシング委員会でのこの報告の折、一委員から硬さの高いWCよりも軟らかい金属の残留応力を測定したほうがより顕著に傾向が出るのではないかとの提案があった。
そこでCoやNiの残留応力測定を試みた。残留応力測定では通常、回折線の波長が最も長いCrのターゲットが用いられる。しかし、CoやNiには高角度側に適当な回折線がなく、Feターゲットを用いることとなった。そのほかの残留応力測定条件を表4に示した。種々の検討の結果、Niの残留応力測定は不可能でCoを最も多く含むWC−12%だけを測定した。また、前回は8点の測定を行ったが、今回は時間の関係で2点の測定を行った。
|